【STATIONARY】銀座ancoraでのインク工房イベント

銀座ancoraさんで月に一度ほどのペースで事前予約制の「インク工房」byセーラー万年筆イベントが開催されています。どんなイベントなのかと言うと、インクブレンダー石丸治さんによる万年筆インクをブレンドして好みの色を調合してオリジナルの色を作ってくれるイベントです。

前回「ancora」さんにお邪魔した時にその話を聞いていたし、「ancora」さんを調べてた時から気になってたイベントでした。

すぐに開催されるとは思ってなかったところ、Instagramにて告知が出ました。

それを知った時はタイミング悪くもう遅い時間だったので、翌日電話予約しようと思ったら定休日だったので、電話できず、その翌日の夕方電話すると既に2枠ほどしか空いてませんでした。

それでもなんとか予約できて、求めているインクの色を具体的にする作業に苦悩しました。

1人に割り当てられた枠は15分と短いのか長いのかわからないような時間、それはおそらくブレンドする時間に割り当てられてるだけで、「あーじゃないこーじゃない」とディスカッションする時間ではないと言う証拠に電話の予約で「当日は作りたい色のサンプルをお持ちください」と言われます。なので、具体的に「この色のインクが欲しい」と言う「これ」が必要になるわけです。

「これなのか?」と思う反面、そうでもないような・・・果たして自分の求めているブラウンとはどんなものなのか・・・どんどんわからなくなっていきます。

カラーチャートから好きなブラウンを選び、持参します。

当日、夕方の予約だったので、行きたかった場所を巡り、週末の人の多さに辟易しながら歩いては数分でお茶を飲み・・・を繰り返し、足が棒になる程歩きました。まさに銀座の街は一度通った場所を何度も行ったり来たり・・・私は方向音痴なんでマップを見ながらでも迷います。

ようやく時間になり、入店して予約のその旨を伝えます。

先に会計を済ませて、すぐにインク工房のスペースに案内されます。

対面で座っている初老の男性(失礼ながら)。手はインクの多様な色で染められて、ブレンダーの容器を前者のお客さんに作ったインクの残りを片付けています。

「それではどんなインクをご希望ですか?」と語られて、私はカラーチャートの希望の色を指差して見せました。

インクブレンダーの石丸さんはその見本の色をじっくり見ながら、音の音階を指でなぞるように空中で泳がせて、まるで指揮をするように滑らかに動かして、またじっくり見てを繰り返し、徐に色のついた数色のインク瓶を持ってスポイトで吸い込んでパレットに少しずつインクをこぼして行き、マドラーで軽くなぞるようにかき混ぜると万年筆の先をつけて、手元の紙にサラサラ・・・と曲線を描き、万年筆の柄をこちらに向けて「どうぞ」とおっしゃいました。

その万年筆を受け取って、自分の手元に置いてあった紙にくるくると曲線と少し太めに線を書く。ビックリした。見せたカラーチャートの色のまんまだった。

「え?すごい!まんまですね!」驚いて声を上げると石丸さんが小さく声を出して笑って「それでいいですか?」と言ってインクの配分なのか、数字を書き込んでいた。

「はい、これでお願いします」

そう言った後に、彼は少し間を置いて「あれ?」と言ってメモに目を落とす。

え?なに・・・?

沈黙・・・

私は座ったまま・・・どうすることもできずに「ワクワク」したフリを続けた(笑)内心「え?さっきのあれ?はなに?どうなるの???」そう思っていたけど、待つしかない・・・初めての経験でどう対処したらいいかわからない

しばらく目の前にあるカクテルブレンダー的な道具を片付けたり、薄め液をカップに注いだりの作業が続く、インクを調合にかかったみたいだったけど、若干の迷いを感じる空気・・・なんだろう不安(笑)

インク瓶に収める量の調合なので難しいんだろうなぁと思いながら、見守る(笑)

カクテルをシェイクするようにシェイカーを振り、蓋の部分に少し注ぐと万年筆に少し吸い込ませてさっきと同じように曲線を描いて、また私に差し出す。

私の手元にある紙にさっきと同じように曲線と太めにインクを出す。

・・・どうしよう・・・さっきと違う・・・笑

「どうですか?」

石丸さんに声を掛けられて、ちょっと迷いながらも「ちょ・・・ちょっと薄いですかね?」と言うと「え???」と予想外の声。どうしよう・・・いいですって言うべきだった?えぇ・・・明らかにテストで作った時と色が違うのが明らかなんだよぉう・・・この空気・・・気不味い・・・怖い

ちょっと沈黙の後、私の手元の紙を見て「薄いねぇ・・・」石丸さんがそう言って、「何を間違えたんだぁ?」首を傾げて作ったインクを足下の容器にこぼしている・・・

どうしよう私のせいで空気を壊してしまった!インクブレンダーの名誉を傷付けてしまった!もう心臓がバクバクして居ても立っても居られない気持ちになった。

石丸さんはすぐにメモを書き直して再度シェイカーにインクを入れ出してシェイク始めた。

再度同じ行動が行われ、私が万年筆を取って曲線を書く。

緊張の一瞬

「うわ!同じです」

ドンピシャだった。←心の底から安心した(笑)

石丸さんはニヤリとして「どうしようかと思った、もうこの仕事もお終いかと思った」と笑いながら言って、手元を片付け始めた。私も笑いながら「でも同じ色を作れるってすごいですね」って言うと、「さっき前の前のお客さんのインクの色と被っちゃって、その色の記憶が戻ってきちゃった」っておっしゃってました。「たくさん作られてるから大変ですよね」って言うと笑顔を向けてくれました。

可愛い香水瓶のようなインク瓶に収めて下さって、オリジナルの名前を記録してもらって終了しました。

店内を眺めながら、何気に他のお客さんの注文を聞いてたけど具体的ではなくものすごく抽象的な感じで、逆にそっちの方が表現しやすいのか???と疑問に思った(笑)「この色のもっと濡れたような色」とか言ってた・・・え?なに?難しいって思ったよ(笑)

前回来店した時に目星をつけていた商品を再度確認して、店員さんに言いました。

「試し書きされますか?個体差のあるものなので確認された方がいいと思いますよ」と言っていただき、在庫を出していただいたのがコレ。

ガラス工房まつぼっくりのオリジナルガラスペン(コンフェティ バルーン)です。

ボディの空洞の中にグリッターが入っていて、ゆらゆらとグリッターが揺れてるのがキラキラして綺麗、これが1本1本手作りなので書き心地も違うらしい、ので、全部試した方がいいとの事、

出していただいたグリッターの色が微妙で間違えてしまい、計5本書かせていただきました。本当に全部違う。

私は細字が好きなので、最終的に最後5本目がしっくり来る書き心地でした。

文字を書く引っかかりや滑り、全てが違う。

納得いくまで書き心地を確かめさせてくれます。そして、試し書きは選んだ(インク工房で作ったインクではなく)店頭にあるインク全ての中から選べます。

私は前から気になってた

ゆらめくの「伊達心」この色は人気があって置いてあるお店が少ないらしいです。

見つけてしまったので連れて帰る事にしました(๑>◡<๑)

今日から我が家へ仲間入り〜〜〜〜

またインク工房に参加してみようかなって思ってます(๑>◡<๑)

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